私には、母と決めた、ある習慣があります。
それは、月曜日と金曜日の昼休みに、
母へ電話することです。
13年前に、父が亡くなった時に、
実家で、ひとり暮らしになる母の生存・様子を
確認するために、
また、オレオレ詐欺を防止する意味も含めて、
週に2回(月曜日と金曜日)、
母へ電話することに決めました。
4月12日(金)午後0時10分。
私はいつものように、母へ電話をしました。
「おかあさん?あっ、ボク」
「息子さんですか?あのねえ、おかあさんが
トイレの前で倒れてたのよ」
あれっ!おかあさんの声ではない!!!
向かいに住まわれているおばさんかな?。
それに倒れているって、どういうことだ!!!
「救急車呼ぶね。って言っても、おかあさん、嫌がるの」
「お兄さんに連絡とって、なんとかしてもらえません?」
「わかりました。早速、兄に電話してみます。」
と言って、電話を切り、兄に電話した。
兄は直ぐに行動してくれて、
救急車を呼ぶことが出来ました。
心配なのは、おかあさんの状態です。
・倒れた時に頭でもぶつけていないのか?
・意識ははっきりしているのか?
・骨折はしていないのか?
想像は、悪い方向に、やけに、拡がる。
母が倒れた日の20時頃、
兄から電話がありました。
「状況はよくない。心臓が弱ってきてる。心臓の中の弁に、
ヒモ状のばい菌が、引っかかってる。
それが、弁から、離れて、からだ中を回れば、
どこかで、血栓が発生してもおかしくないそうや。」
「ヒモ状のばい菌の除去手術も可能やけど、
おかあさんのからだの負担になるから、手術は、やめとこ」
おかあさんが死ぬかもしれん!
私は、大声で、泣き叫びました。
おかあさんがいない世界は考えられない!
今までのおかあさんとの思い出が蘇ってきました。
おかあさんは、いつも、私のことを心配してくれて、
優しく、励ましてくれました。
一方、私は、親孝行らしいことを、
一度も、やった記憶がありません。
親不孝者です。
ここ10数年、実家に戻り、
おかあさんと同居する選択肢はあったのですが、
独身生活に慣れてしまっていて、
躊躇っていました。
今となっては、後悔しか残っていません。
早速、明日、京都に向かおう。
始発の切符を握り、新幹線に乗り込んだ。
つづく
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